著者 | 岩井 俊雄 作・絵 |
出版社 | 偕成社 |
ジャンル | 絵本 |
出版年月日 | 2008/5/1 |
ISBN | 978-4-03-331540-9 |
目次
「100かいだてのいえ」の特徴
この本の特徴
「100かいだてのいえ」は、その名の通り、100階建ての家が舞台となる絵本です。
一番の特徴は、ページを縦に開いて読む独特なデザインでしょう。
縦に開くことで実際に階段を登っているかのような感覚を楽しめます。
さらに、各階に異なる動物たちが住んでおり、個性豊かな部屋が描かれています。
次の階でどんな動物が登場するのか、ページをめくる楽しみを感じられるように工夫されています。
イラストもカラフルで、各階の違いをしっかりと視覚的に楽しめる点が魅力です。
「100かいだてのいえ」の要約
この本の要約
トチ君は「100かいだてのいえ」から招待状が届きました。
地図を見ながら森の中を進むと、突然、目の前に空まで到達するような大きな家が現れます。
トチ君は玄関から声をかけましたが、返事はなく、少し怖がりながらも階段を上っていきます。
2階にたどり着くと、そこにはネズミ達が住んでおり、100階に行くことを告げてトチ君はさらに上の階を目指します。
11階に到着すると、リスたちが暮らしており、10階ごとに違う動物が住んでいることに気づきました。
その先のどの階にも個性的な動物たちが個性的な部屋に住んでいます。
トチ君は、いろんな動物たちと触れ合いながら、雲の上にある100階を目指してどんどん階段を上っていきます。
無事に100階にたどり着けるのでしょうか?いったい誰が住んでいるのでしょう?
トチ君の冒険は続いていきます。
「100かいだてのいえ」の感想
まず縦に開く本という点で面白い。
え?こっちに開くの?なんていう声が聞こえてきそうです。
縦に開くことでで高さが強調され、本当に階段を上がっているような気持ちになります。
ページをめくるごとに10階上がっていきます。
10階ごとに住んでいる生き物が変わり、1階1階の部屋も個性的で見ていて飽きない。
こんなところにあんなものが、この部屋はこうなってるの?と部屋を見ているだけで楽しいし、次はどんな階だろうと期待もふくらみます。
すみからすみまで1人で読むのもおもしろいのですが、親子や兄弟何人かで読んで、それぞれの気付きを話すのも楽しそうな絵本だなと思いました。
「100かいだてのいえ」を読んだ人のレビュー
ネット・Xのレビュー
#読了 いわいとしお/100かいだてのいえ
— Moonstone, The (@Kohsg23) March 2, 2024
縦に開くちょっと変わった絵本で
100かいだてのいえに登っていく
主人公は10階おきに色々な動物に
出会います。
すごいのが全階ちゃんと描いていること。
これはお子さんが見たらとても
楽しんでもらえそうですよ🌻#読書 pic.twitter.com/Rn2fJAV997
細かいデザイン好きな方にマジで「100かいだてのいえ」シリーズの絵本をオススメする📖ぜひペラっとページめくるだけでもいいから見てほしい………すごくね、子どももワクワク、大人もワクワクするようなデザイン本だよねありゃ…………( ˘ω˘ )✨
— ソダ (@Soda_ry) July 30, 2024
「100かいだてのいえ」はどんな人におすすめ?
こんな人におすすめ
おすすめな人の特徴①
好奇心旺盛な子
おすすめな人の特徴②
動物好きな子
おすすめな人の特徴③
算数を習い始めたばかりの子
数字についての理解も自然とできてしまうこの絵本。
著者の娘さんへの思いからくるものだったんだなと知りました。
1から100まで数字の勉強にもなりますね。
その頃、ロカちゃんは小学1年生になって算数を習い始めたのですが、数字の桁上がりがなかなか理解できないでいました。それを見ていて、本の構造を使って、数字のことがわかる絵本を作ってみたらどうだろう、と思いました。本の見開きに10個の何かが描かれていて、それが10見開きで合計100になる。それも、ただ何かが並んでいるよりも、ひとつひとつが積み重なって大きな数字になるものがいいのでは、と建物をモチーフにするのを思いつきました。
引用:著者(岩井俊雄)より刊行時に寄せられたメッセージ
「100かいだてのいえ」:まとめ
縦に見せることで視覚的な楽しさを与えつつ、動物たちとの出会いと個性的な部屋で子どもたちの想像力を豊かにしてくれます。
「他の階はどうなっているんだろう?」という期待とドキドキ、トチ君と一緒に階段を上がっていきます。
ストーリー自体もシンプルでありながら、最後までの流れがスムーズなので、何度でも続けたくなる作品です。
また数字を自然に覚えたりなど自然と数字に興味が持てるところも素晴らしい。
各階を数えながら、それぞれの部屋をよく見てみてください。
新たな気付きがあるかもしれません。
縦にページをめくるという発想。
めくるたびに驚きと発見があり、物語の最後まで飽きずに読み進められる点がとにかく素晴らしい一冊です。
少し縦だと大きく読み聞かせの際は大変だなと思ったのですが、ミニのボードブックもあり良心的だなと思いました。
シリーズになっているので、家だけじゃなく海や地下など冒険することもできますよ。
現在、作者のいわいとしおさんの展覧会が、東京都写真美術館で開催されます。
いわいとしおさんは日本を代表するメディアアーティストでもあります。
下記イベントも開催されていますので、ご興味がある方はぜひ!
いわいとしお×東京都写真美術館 光と動きの100かいだてのいえ
―19世紀の映像装置とメディアアートをつなぐ
会期:7月30日(火)~11月3日(日・祝)
会場:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内