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<読書の秋>おすすめ絵本「としょかんライオン」

著者ミシェル・ヌードセン 作 /  ケビン・ホークス 絵
福本 友美子 訳
出版社岩崎書店
ジャンル絵本
出版年月日2007/4/20
ISBN978-4265068173

としょかんライオン」の特徴

この本の特徴

としょかんライオン」は、アメリカの作家ミシェル・ヌードセンさんが書いた絵本で、図書館に突然現れたライオンが主人公です。
この物語の魅力的な特徴をいくつかご紹介します。

  • 図書館という親しみやすい場所
    このお話は、みんなが知っている図書館が舞台です。
    ある日突然、図書館にライオンが現れ、登場人物たちも驚きます。
  • ライオンの意外な役割
    ライオンは一見怖そうですが、優しい心を持っています。
    彼は図書館でみんなのために役立つことをします。
    本を整理したり、子どもたちのために読み聞かせの時間に参加したりすることで、だんだんとみんなに受け入れられるようになります。
  • 規則の大切さと例外
    図書館には「静かにする」「走らない」といった規則があります。
    ライオンも最初はこの規則に従いますが、物語の後半で重要な場面が訪れ、ライオンはある理由から規則を破らなければならなくなります。このことで「規則を守ることの大切さ」と「時には例外もあること」の両方が描かれています。

としょかんライオン」の要約

この本の要約

ある日、町の図書館に大きなライオンがやってきました。
図書館員のマクビーさんは驚きましたが、館長のメリウェザーさんは「図書館のきまりを守るならそのままでよい」と言います。
ライオンはおとなしく絵本の部屋で眠り、お話の時間になると起きて子どもたちと一緒に静かに聞いていました。
しかし、お話が終わるとライオンは大きな声で吠えてしまい、メリウェザーさんに「静かにできないなら出て行ってもらう」と注意されます。
図書館のきまりをしっかり理解したのか、翌日からライオンはメリウェザーさんの仕事を手伝ったり、静かにお話の時間を楽しんだりしていました。
ライオンは図書館の人気者になります。

ある日メリウェザーさんがけがをしてしまいます。
ライオンは助けを呼ぼうと大声で吠えましたが、規則を破ったため、次の日から姿を消してしまいます。
ライオンのいない図書館はどこか寂しそうです。
そうしてマクビーさんは「きまり」を守ることよりも大事なことに気づくのでした。

ライオンは無事に図書館に戻ってきてくれるのでしょうか。

としょかんライオン」の感想

いろんな気付きを与えてくれる本です。
見た目で判断してはいけない。
私自身図書館で働いているので、マクビーさんの気持ちもよくわかる。
でも、きまりを守れば誰でも図書館に来て良いという館長の考え方がとても素敵だなと思いました。
きまりを理解すること、しっかりときまりを守ることの大切さ。
きまりがあるからこそ楽しく有意義な時間が過ごせるということも教えてくれます。
ただ、時にはきまりを破っても仕方ないことがあるんだということもわかりやすく書いてあります。
きまりは大事だけれど、それが全てではないということ。
少し哲学的要素もあり、子どもだけではなく大人にも刺さるお話しだと思います。
口がきけないライオンが主人公なので、ライオンがどういう気持ちなのか想像しながら読むため、より理解が深まると思います。
マクビーさんの心の揺れ動きもほろっときてしまいます。

としょかんライオン」を読んだ人のレビュー

ネット・Xのレビュー

としょかんライオン」はどんな人におすすめ?

こんな人におすすめ

おすすめな人の特徴①

図書館に行ったことがある子

おすすめな人の特徴②

規則やルールを学び始めた子

おすすめな人の特徴③

きまりに縛られがちな真面目な人

図書館に行ったことがある子は図書館のきまりを知っているので理解しやすいと思います。
子どもたちは日常生活の中で、学校や家でさまざまなルールに直面します。
この本では、ルールを守る大切さが強調されながらも、必要な時には例外もあることを教えてくれます。
ルールの意味や意義について考えるきっかけを与える内容です。

としょかんライオン」:まとめ

としょかんライオン」は、見た目と中身の違いや、ルールの意味、そして友情の大切さを優しく伝えてくれる絵本です。
まずは外見だけで人や物事を判断してはいけないということ。
ライオンは大きくて怖そうな見た目ですが、図書館ではとても優しくみんなに接します。
最初は怖がられたり驚かれたりしますが、次第にその親切さが伝わり、周りの人々も彼を受け入れるようになります。
この展開は、私たちに「見た目ではなく中身が大切だ」という大事なメッセージを教えてくれます。

次に、物語の中でルールを守ることの大切さも強調されています。
図書館の中では「静かにすること」や「走らないこと」といった規則があり、ライオンも最初はそれにしっかり従います。
しかし、物語の後半で重要な場面が訪れると、彼はある理由でその規則を破ってしまいます。
ここでは、ルールはみんなのためにあるものだという教訓と同時に、緊急時にはそのルールを超えて行動することも必要であるという柔軟な考え方も示されています。
これにより、子どもたちは規則の意義を理解しつつも、状況に応じた対応も学ぶことができます。

さらに、ライオンと図書館の職員や子どもたちとの友情が深まっていく過程がとても感動的です。
ライオンが図書館に来ることで、彼らとの絆が少しずつ育まれていく様子が、心温まるストーリーとして描かれています。
ライオンが図書館を去らなければならなくなったとき、彼がどれだけ大切な存在だったかがみんなに分かり、友情の大切さが強く感じられます。

全体を通して、この絵本はシンプルなストーリーながらも、心に響く深いメッセージが込められており、子どもにも大人にも考えるきっかけを与えてくれる素晴らしい作品です。

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  • この記事を書いた人

kuroco

社会人と大学生の子どもがいる図書館職員です。人生半ばにして自立に向けて奮闘中。

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